遂に迎えた映画公開に横浜流星、藤井道人ら感無量! 横浜「自分に置き換えて観てもらえる」と熱弁!『ヴィレッジ』公開記念舞台挨拶オフィシャルレポート到着!

(C)2023「ヴィレッジ」製作委員会
4月24日(月)

「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出す異色のサスペンス・エンタテインメント『ヴィレッジ』。

ちょうど一年前の2022年4月21日にクランクインを迎えた本作。撮影から約一年が経った記念すべき4月22日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて公開記念舞台挨拶が行われ、「無事に映画の公開を迎えられて、そしてこうして皆様に作品を届けることができて嬉しく思います」と喜びの心境を明かす主演の横浜流星。昨年急逝した故・河村プロデューサーの遺志と想いを継ぎ、作品完成から公開まで走り続けた藤井監督は「皆様に作品を届けられて光栄です」と感無量な様子で喜びを明かしていた。映画上映後の舞台挨拶となったが、上映直後には、来場した満席のお客様から盛大な拍手が鳴り響く大盛況!さらに、急遽、本作の音楽を担当した岩代太郎氏も会場に駆けつけた。
公開前から、“こんな横浜流星はみたことがない”と横浜が魅せる圧巻の演技と作品の世界観に絶賛のコメントが多数届いていた本作。映画の前半と後半で、まるで一人二役の役柄を演じているかのような変貌を遂げていく優というキャラクターを演じた横浜は、「前半は感情を出す術が分からない人間として、内に、内にと沈めていくのが大変でした。でも、少しずつ、コップの水が溢れていくように感情も…。そして美咲と出会って変わっていこうとするんです」と述懐。
対する美咲役を演じた黒木が「最初は声もかけづらくて…」と話し始めると横浜は「すみません…」と苦笑い。黒木も笑顔を見せながら、「でも、打ち解けてからはにこやかにくだらない話もできるようになったので、その変化は大変だったと思うし、すごかったです」と横浜が魅せる新境地に現場でも驚いていた様子。

横浜と初共演でもあり同じ事務所の先輩・後輩という間柄でもある奥平は「多くの人に映画を観てもらえて嬉しいです」と映画公開の心境を明かしつつ「(ゴミ処理施設で)ゴミを埋めるシーンとかでご一緒させていただいた時、足場が悪かったんですけど、さりげなく「大丈夫?」と声をかけてくださって…カッコよ!!と思って食らっちゃいましたね(笑)」と劇中同様、明るい陽気な雰囲気で撮影時のエピソードを披露。自身が演じた龍太という役に対しては「若者でもある自分の感覚に近いものを持っているのが龍太だと思っていました。同じ世代である作間くん演じる恵一とは、それぞれが優という人物に想う所があって…それでも進む道が全然違うというのは面白い所だなと思っていました」と明かしている。

優に憧れる美咲の弟・恵一を演じた作間は「最初はかっこいいキラキラしたイメージで現場に行ったので、初めてみた横浜さんの姿にやばい!と驚きました。でも、気が引き締まりましたね。優に憧れる恵一という役とも重なって、座長として追いかけたい背中に見えました」と横浜の主演としての現場での牽引力を頼りにしていたとか。長年、横浜とともに切磋琢磨してきた藤井監督も「長編での主演作は初めてでしたけど、主演としても、役に入り込みすぎて周りがみえなくならないように、という話はしていて。今回、大人になった流星が見れました」と横浜の成長ぶりを讃えていた。作間はさらに、「恵一はとてもピュアな子なので、その感じがそのまま役にも出ればいいなと思って演じていました。最初に台本をもらった時は、社会の縮図を描いた内容に重い気持ちにもなりましたが、ピュアな恵一のような子が少しでも明るい未来に近づけるようになればいいなと思います」と現代日本が抱える闇を描いた物語の中を生きた、若者のリアルな声を届けていた。
さらに、トークは本作にとって重要なメタファーとなっている「能」についての話に。歌舞伎役者としても活躍する中村獅童は、劇中で見事な「能」を披露するが、実際に演じた中村は「能は武家に捧げられたものだけど、歌舞伎は大衆のものとして能の要素やその時々で最良のものを取り入れてきました。細かい部分が全然違うので…難しかったです」と撮影時の意外な苦労話が飛び出していた。横浜はそんな中村の能について「素晴らしかったです」と感動の声を舞台上で届けると、中村は「京都でいきつけのサウナがあるんですけど、横浜さんもそこに、変装もしないで行ってたみたいです」とまさかのエピソードを暴露。中村の意外なトークに、横浜も笑顔をみせていた。

藤井監督は「能を描きたい、というのは河村さんからの最初のテーマでもありました。コロナ渦において、エンタテインメントは必要なのか?という問いが議論された時、“エンタメは必要、不滅である”という事を日本最古の芸能を通して描きたいという情熱があったからです」と能が重要なメタファーとなったその経緯と、河村さんから受け継いだ熱き想いを語りかけた。

場内には、先日、本作とのコラボレーションが解禁されたばかりのamazarashiの秋田ひろむが本作を見て描き下ろした新曲「スワイプ」も流れており、amazarashiの大ファンを公言する横浜は「優として生きていた日々を思い出す、大事な曲になりました。MVをみて映画を観ると、また違った感覚になれるのでは?」と映画のアナザーストーリーとして描かれたMVの内容にも触れ(まだ未解禁のMVフルバージョンについて)「すごいものが出来上がったと思います」と今後解禁されるMVの出来栄えに自信をのぞかせていた。
最後に、藤井監督は「観る人の世代や性別、属しているコミュニティによって感想や解釈が変わる作品になっていると思います。自分なりの感想がすべてです。少しでも観た人の心に届いていたら幸いです」とこれから多くの人へと届いていく作品へ込めた想いを明かし、横浜も「村を舞台にした作品ですが、学校や会社など、コミュニティに属している人はどこか、自分に置き換えて観てもらえると思います。観てくださった方の解釈に委ねる作品なので、ぜひ、その想いを共有してください」と明かしつつ、“コロナ渦でエンタメは必要か?”という問いに河村プロデューサーが「日本最古の伝統芸能の“能”」で答えを見出したことにかけ「僕自身、エンタメは必要なものだと思っています。日本の映画の未来のために、映画館で映画を観てくれる人が少しでも増えたら幸せです。今日はありがとうございました」と日本映画界の未来を見据えた想いを明かし、感謝の気持ちとともに舞台挨拶を後にした。

大ヒット公開中

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